JAGDA会員に関するSNSでの告発について[8.21更新]
JAGDA会員に関するSNSでの告発について
JAGDA会員である石塚俊氏の過去の行動に関するSNSでの告発と本人の声明を受け、当会では、この件に関する事実確認に努め、顧問弁護士の見解もふまえながら、対応を慎重に検討しています。今後の方針が決まり次第、改めて本サイトにて報告いたします。
2024年3月21日
公益社団法人日本グラフィックデザイン協会(JAGDA)
JAGDA会員に関するSNSでの告発にまつわる件の対応について[2024.8.21発表]
2024年3月、JAGDA正会員である石塚俊氏につきまして、ある女性に対する過去の行動に関してSNS上で告発※ がありました。その後、石塚氏自身による声明もあり、3/21付でJAGDAとしての声明を公式サイトに掲載しました。本件について、協会内外よりご意見やご要望、ご提案を十数件いただきましたが、それ以上に心に留められた方々も多くいらっしゃると思います。
JAGDAでは告発の直後から会長、副会長を中心に対応を検討し、3月下旬、理事会で本件の状況を共有後、特別対応チーム(11名)を編成しました。
石塚氏が声明で認めた内容は、道義的に問題視され、JAGDA会員をはじめとする多くの方々、特に若い世代の方々に、憤りや不安を与えたように思われます。一方で、告発直後、SNSを中心に個人へのバッシングが巻き起こりました。しかしながら、SNS上の情報だけでは詳しい状況は把握できないため、拙速に判断することは避け、可能な範囲で事実確認に努め、グラフィックデザインの団体であるJAGDAとして、何ができるか、何をしていくべきか等、特別対応チームでの意見交換、顧問弁護士とのやりとり、石塚氏からのヒアリング等、それぞれ再三にわたり行い、検討を重ねてまいりました。以下ご報告いたします。
※ ここでの「告発」という言葉は、マスメディア等で一般的に用いられる意味合いでの使用であり、刑事訴訟法に基づくものではありません。
●事実確認
JAGDAの対応を考えるにあたり、法律に抵触するかどうかの客観的判断は必要と考え、石塚氏とJAGDA顧問弁護士との面談を行うこととしました。顧問弁護士の報告によれば、面談日の時点で当事者間に和解が成立しており、これを受け、JAGDAとしては、当事者のプライバシーを最大限尊重すべきと考え、以後、事実関係についての関与・言及は控えることとしました。
●石塚氏の関わるJAGDA事業についての各対応
会員に対する処遇は、基本的には定款および会員規則に則します。しかしながら、前述の面談設定と現実的な各事業のスケジュールの問題から、以下の事項を、石塚氏に要請・承諾を得て、実施しました。
1)年鑑作品展「日本のグラフィックデザイン2023」香港巡回展(会期:2024/4/10-5/5)に伴い、JAGDAが石塚氏に依頼していた以下事項を中止
・告知グラフィックの制作(→JAGDA国際委員会で対応)
・現地イベントへの派遣(→石塚氏を除く、JAGDA新人賞2023受賞者2名のみ派遣)
・入選作品の展示(→石塚氏作品を除いた入選作品で構成)
2)年鑑『Graphic Design in Japan 2024』の石塚氏入選作品の取り消し
JAGDAとして石塚氏の年鑑2024版の入選作品の扱いについて検討をしていましたが、本人から辞退の申し出を受け、入選を取り消しとしました。
(選考期間:2023年11-12月、製作期間:2024年1-6月、発行:2024年7月31日)
3)JAGDA活動への参加の停止(2024年4月〜2025年3月の1年間)
石塚氏自身の意向も受け、年鑑への出品をはじめとした各種事業や委員会組織等、JAGDA活動への参加を、一定期間停止することとしました。
なお、協会内外からいただいた意見の中には、新人賞受賞を取り消すべき、除名にすべきという案もありましたが、「捜査機関による立件等はなされておらず、賞の取り消しや除名を行う根拠がない」「賞は受賞者の栄誉のためにのみあるのではなく、出品者、選考委員、JAGDAが協働で歴史を編んだデザインアーカイブであり、公の記録である」等の理由から、JAGDA新人賞受賞や過去年鑑への入選記録についてはそのままとし、除名も行わないこととしました。
●今後の対応について
・現状の定款および会員規則には、今回のような問題に関する規定がなく、「退会」「休会」「会員資格の喪失」「除名」という項目に加え、「停会(協会活動の停止)」等の設置の是非について検討していきます。
・コンプライアンス(情報管理、知的財産、不正取引等)およびハラスメント関連の研修機会ほか、業界および社会に対して新たに行うべき活動と、専門家による相談窓口・紹介制度の設置ほか、会員をはじめとしたグラフィックデザイナーが職能を遂行するために必要と思われる施策を検討します。知財権の考え方等、これまでJAGDAで行ってきた活動をさらに発展させていくものと、ハラスメント対応等、新規のプロジェクトとしてスタートさせるもの等、具体的な内容については、なるべく早い段階で設定、発表していきます。
JAGDAは、会員の会費を基本資金として、原則的に、会員によるボランティア活動で運営されています。様々な考えを持つ3,000名の会員を有する公益社団法人として、討議の段階を踏みながら、各事業を決定しています。今後も、慎重かつ真摯な対応を心がけ、随時報告を行っていきます。ご理解とご協力のほど、よろしくお願いいたします。
ご意見、ご提案等がございましたら、フォームよりお送りください。
2024年8月21日
公益社団法人日本グラフィックデザイン協会(JAGDA)