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ヒロシマ・アピールズ 1987
1987.8.6
制作コメント
反核ポスターは深く考えれば考えるほどむずかしい。最初、私の造形で構成しようと思ったが、抽象的な私の造形では多くの人々に強くアピールするポスターとしては適切でないような気がした。このポスターは個としての造形のレベルではなく、ヒロシマという現実を踏まえてどのように反核をアピールするかという思想を問われているのだと思うからである。
そこでイラストレーションを使うことにして、私なりのイメージが出来上がったが、私のイメージを既成のイラストレーターで充たすことはむずかしく、画家奥山民江氏に依頼した。飛翔する鳥の羽根がアップになり、一瞬の閃光に破壊される瞬間を描きながら、その悲惨さを静けさの中に永遠にとじ込め、なお宗教的な祈りにまで昇華させたいという私の意図を奥山氏は的確に表現してくれたと思う。
「ヒロシマ・アピールズ」ポスターとは
公益社団法人日本グラフィクデザイナー協会(JAGDA)と財団法人広島国際文化財団が1983年、言葉を超えて「ヒロシマの心」を訴えるポスターを共同制作、内外に平和を呼びかけるキャンペーンの構想を発表。同年に第1回作品として、当時JAGDA会長だった故亀倉雄策氏の「燃え落ちる蝶」が発表され、その後8年間、毎年1点ずつ新しいポスターが制作されました。
サイズ:B1(728 x 1,030 mm)