第24回亀倉雄策賞:選考経緯・展覧会情報
受賞者:大貫卓也
受賞作:平和希求キャンペーンポスターおよび関連制作物「HIROSHIMA APPEALS 2021」
(org:広島国際文化財団/ヒロシマ平和創造基金/日本グラフィックデザイン協会広島地区)
※スマートフォンでAR専用アプリ「aug!」をダウンロードし、アプリを開いてポスターにスマートフォンをかざすことで、ARポスターをご覧になれます。
※本ポスターは、JAGDA ONLINE SHOP で購入できます(B1サイズ/税込1,100円+送料680円)。
作品発表:年鑑『Graphic Design in Japan 2022』(2022年7月発行予定/六耀社刊/予価16,500円)
授賞式:2022年6月10日(金)熊本にて実施予定〈2022年度JAGDA通常総会会場〉
展覧会:第24回亀倉雄策賞受賞記念展
2022年7月12日(火)〜8月20日(土) 東京・クリエイションギャラリーG8 詳細
選考経緯:
1. 第1次選考(2021年12月7日、12月17日)
・年鑑『Graphic Design in Japan 2022』の掲載作品選考会において、全国のJAGDA会員から出品された全1,971作品を対象に、29名の年鑑選考委員が選出にあたった。
・各カテゴリーの得票上位であるJAGDA賞の候補130作品から、亀倉雄策賞の過去の受賞者による44作品を除いた86作品に対し、亀倉雄策賞にふさわしいと思われる作品を各自5点選んで投票(全票投票/出品者名は非表示/自身の作品には投票不可)。その結果14作品を選出した。
2. 最終選考(2021年12月21日)
・ひとり(1組)あたり1作品を候補とするというルールに従い、複数作品が候補に挙がった出品者については、選考委員の多数決で原則各1作品を選び、以下の12作品を最終ノミネートとした。
・選考委員10名がひとり3票を持って投票と討議を行った結果、上位3作品(大貫、三澤、林の作品)が候補となった。決選投票では7票を獲得した大貫の作品が選ばれた。
・受賞作品は、平和を希求するキャンペーンとして毎年JAGDA会員の中から1名がポスターを制作する「HIROSHIMA APPEALS」の2021年版とその関連制作物。1枚のポスターとして完結しながら、さらにAR技術により、黒い雪の中から白い鳩があらわれる映像をスマートフォンで見ることもできる。「黒いスノードームの怖さと白い鳩の美しさの対比が鮮やかでメッセージが強い」「鳩の立体造形をはじめ、徹底して作り込まれた完成度が見事」「長い歴史を持つキャンペーンにおいて、新しい技術も起用し、原爆の記憶を次世代に何としても伝えようとする作者の意志を感じる」「広告制作に徹してきた作者らしい説得力のある表現」と高く評価された。
・次点となった、三澤による博物館の巡回展用キットは「微細で密度のある作り込みながら圧迫感がなく、やわらかで大きな視点を感じさせる」「緻密さ、合理性、デザイン性が一致している」、林の女子美術大学のポスターは「長く継続してきた仕事で、これまでの色面の表現から今回は線の表現に展開していて新鮮」「かたちで攻める潔さ、空間の活かし方など、グラフィックとして強い」と評され、ここ数年候補に上がる両者にも大きな期待が寄せられた。
*最終選考委員会メンバー
・亀倉雄策賞運営委員=永井一正(選考委員長)、浅葉克己、葛西薫、佐藤卓、服部一成、原研哉、松永真
・ゲスト選考委員=操上和美、保坂健二朗、山本容子
候補作品(氏名五十音順):
・複合 「HIROSHIMA APPEALS 2021」(大貫卓也 cl:広島国際文化財団/ヒロシマ平和創造基金/日本グラフィックデザイン協会広島地区)
・映像 「紙工視点」(岡崎智弘 cl:福永紙工)
・パッケージ 「RURU MARY’S」(川上恵莉子 cl:メリーチョコレートカムパニー)
・環境・空間「my CLINIC」(木住野彰悟 cl:マイ クリニック)
・パッケージ「イプサ ME」(工藤青石 cl:イプサ)
・パッケージ 「桃李」(窪田 新 cl:トウリ)
・ポスター「無印良品キャンプ場」(新村則人・庭野広祐 cl:良品計画)
・デジタルメディア「PICNIC Art Festival 2021」(高田 唯 cl:ピクニックアートフェスティバル)
・ブック・エディトリアル「飛騨産業の百年」(富田光浩 cl:飛騨産業)
・複合「石岡瑛子 グラフィックデザインはサバイブできるか」およびジェネラルグラフィック「EIKO BOX」(永井裕明 cl:DNP文化振興財団/エヌ・ジー) *同一人物の回顧展に関する仕事・作品のため、一連の作品として扱った
・ポスター「女子美術大学 image 0」(林 規章 cl:女子美術大学)
・環境・空間「WHO ARE WE 観察と発見の生物学」(三澤 遥 cl:国立科学博物館)
*年鑑選考会全体の情報はこちら