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コンペティションの権利規定に関するJAGDAの考え方

2021.3.10

JAGDAは、デザインの知的財産とデザイナーの権利保護のため、JAGDAがこれまでに確立した基準(以下、JAGDA基準)から見て不当と思われる条件のコンペティション(以下、コンペ)主催者に対し、権利規定の改善依頼や修正の申し入れをしています。JAGDA基準に合致しない条件のコンペについては、JAGDAとして後援、広報、審査などの協力は一切しません。

 

 

不当な権利規定の例

・コンペの目的、期間などから見て必要とは認められないのに、採用作品の著作権や「全ての権利」を主催者に譲渡する(または帰属させる)ものとされている。

 

・採用作品の著作権を主催者に譲渡することが必要である場合であっても、著作権譲渡・帰属の規定に「著作権法27条・28条の権利を含む」と明記されている。この規定は、採用作品の変形権・翻案権を譲渡するものであり、採用作品の一部を変形して利用することを認める内容ですので、「著作権法27条・28条の権利を除く」に修正するべきです。同様の理由から「著作権に関するすべての権利を含む」などのあいまいな包括規定は削除すべきです。

 

・「制作者は著作者人格権を行使しない」とされ、制作者の許諾や関与なしに、主催者が採用作品について改変や補作を行えるようになっている。この規定は、著作者人格権の中の同一性保持権によって、制作者が採用作品の二次的利用への関与の機会を確保するとともに、制作者本人の意に反する改変を防止するために、削除するべきです。

 

・主催者が採用作品を商標登録するか否か、商標調査の費用を負担するか否かが明らかでない。

 

・採用作品が第三者の商標権を侵害する恐れのあることが判明した場合、理由の如何を問わず作者が責任を負わなければならない。

 

・その他、採用作品の作者が過大な責任を負う危険がある。

 

・応募作品について、「いかなる場合も作品は返却しない」、「作品のデータを保存する」、「全ての権利は主催者に帰属する」などとされている。

 

・採用作品に対する賞金や対価の支払いがない、あるいは非常に低額である。

 

 

 

改善依頼した権利規定の例

・2020年ドバイ国際博覧会 日本館ロゴ・シンボルマーク

大阪・関西万博ロゴマーク

・第20回アジア競技大会エンブレムデザイン *ウェブサイトに「Q&A」を掲載

・文化庁京都移転ロゴマーク *ウェブサイトに「補足(令和3年2月12日追記)」を掲載