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「ヒロシマ・アピールズ」ポスター2014年版は、 井上嗣也氏が制作

2014.7.25

JAGDAは、(財)広島国際文化財団と共同で、1983年から1989年まで、毎年会員代表1名が「ヒロシマの心」を言葉を超えて訴えるポスター「ヒロシマ・アピールズ」をボランティアで制作し、国内外に向けて平和を希求する活動を行ってまいりました。2005年、広島の被爆60周年を機に活動を再開。この度、2014年版のポスター(シリーズ17作目)を井上嗣也氏(東京)が制作いたしました。

タイトル:「記憶」
デザイン:井上嗣也 (いのうえ・つぐや)
主催:公益財団法人ヒロシマ平和創造基金、一般財団法人広島国際文化財団、
公益社団法人日本グラフィックデザイナー協会(JAGDA)広島地区
協力:凸版印刷株式会社、株式会社竹尾
詳細:JAGDA広島地区

作者コメント
数十年前、『廣島』と題名された原爆被害の写真集を見た。そこにある笑顔の子供たちの写真に付けられた説明文「これからは小鳥のように楽しく生きたいと、原爆の子たちはいっている。しかしその小鳥はとても自分のピカドン傷を気にしている。」という言葉が、強い印象で残っている。
戦後に生まれた私たちは、その悲惨な出来事の断片化した知識を、時間と共に遠ざかる記憶として持っている。しかし記録された写真や映像や活字などで被爆の事実を知るほどに、一瞬にして生活と命を奪った行為に対して悲しみ、改めて核への恐怖を覚える。忘れることで今を享受することが出来るかも知れないが、忘れることの危うさもある。1945年の出来事を忘れないで、長く困難な道かも知れないが、「核の傘」という抑止力に頼らない社会の実現を望むばかりだ。
デザイン作業中は、人工の破壊力によって命を奪われた人々の思いと、「生命は生存したいと願う」という自身の気持を確認しながら臨んだ。画面の生物は、晴天のもと新良太氏に撮影していただいた太陽の光と影の写真によって、時間と記憶を意図して定着に向った。
この親子二世代の生物は、風化される記憶の忘却を憂い、反核の強い決意で、忘れてはならない「1945年の記憶」を次の世代に伝えていって欲しいと願っている。

作者略歴:井上嗣也
1978年ビーンズ設立。アートディレクター、グラフィックデザイナー。
広告、音楽、出版、TVなどのアートディレクションの仕事。 写真とタイポグラフィの斬新なデザインワークでジャンルを横断した仕事を続けている。
日本プロ野球機構シンボルマーク「NPB」制作。第3回世界ポスタートリエンナーレトヤマ銀賞。
東京ADCグランプリ、東京TDCグランプリ受賞。日本宣伝賞山名賞。
井上嗣也作品集『INOUE TSUGUYA GRAPHIC WORKS 1981-2007』、『INOUE TSUGUYA GRAPHICS TALKING THE DRAGON』(リトルモア刊)。東京ADC、東京TDC、JAGDA会員

ポスター販売のご案内

・サイズ:B1
・価格:1枚1,080円(税込)

・取扱店:広島平和記念資料館(原爆資料館)ミュージアムショップ

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