「ヒロシマ・アピールズ」ポスター2018年版は服部一成氏が制作
JAGDAは、ヒロシマ平和創造基金および広島国際文化財団との共催により、言葉を超えて「ヒロシマの心」を訴えるポスターキャンペーン「ヒロシマ・アピールズ」を実施しています。
毎年JAGDA会員1名がポスターを制作し、広島市長に贈呈するとともに、国内外に広く頒布することで平和を希求する活動です。
この度、服部一成氏(東京)による2018年版のポスター(シリーズ21作目)が完成いたしました。
主催:公益財団法人ヒロシマ平和創造基金
一般財団法人広島国際文化財団
公益社団法人日本グラフィックデザイナー協会(JAGDA)広島地区
協力:凸版印刷株式会社、株式会社竹尾
詳細:JAGDA広島地区
制作コメント
Hiroshima appeals(広島は訴える)。自分が作ろうとしているポスターは何を訴えるのか、それは自明のことのようでもあり、解けない問題のようにも思えた。残された資料に触れるにつれ、知っていたはずの広島と原爆にうちのめされた。自分には広島を代弁する資格も力量もない。まずそのことを自覚することから始めた。
広島の空に原爆のきのこ雲が浮かんだ日から73年が経つ。なにも解決せず、多くの問いかけがぽっかりと宙に浮かんだままだ。ポスターに描いたのは、そんな2018年の世界の風景だ。
こんな呑気なはてな雲のポスターで何を訴えるのかと笑われるのを恐れて、自分はこの言い訳めいた文章を書いているのかもしれない。だが、ポスターの成果とは別に、とにかく広島について考えた今回の個人的な体験にも、小さな意義はあったという気持ちもある。広島が問うていることをそれぞれが考えつづける、その先に、今はまだ見えない何かがあるのだと思いたい。
作者略歴
服部一成(はっとりかずなり)/グラフィックデザイナー。1964年東京生まれ。1988年東京芸術大学美術学部デザイン科卒業、ライトパブリシティ入社。2001年よりフリーランスのグラフィックデザイナー、アートディレクターとして活動。主な仕事に、「キユーピーハーフ」などの広告、雑誌『流行通信』『here and there』『真夜中』、エルメスのイベント「petit hのオブジェたち」の会場デザイン、「三菱一号館美術館」などのロゴタイプ、POLAの新VIシステム、「CAFE@HOME UCC」のパッケージ、東京国立近代美術館「声ノマ 全身詩人、吉増剛造展」などの展覧会のポスター・告知物・図録、ロックバンド「くるり」のアートワーク、『プチ・ロワイヤル仏和辞典』、中平卓馬写真集『来たるべき言葉のために』、ホンマタカシ『たのしい写真』、原田治『ぼくの美術ノート』などのブックデザインがある。毎日デザイン賞、亀倉雄策賞、東京ADC賞、原弘賞、東京TDCグランプリなどを受賞。
ポスター販売
・サイズ:B1
・価格:1枚1,080円(税込)
・取扱店:広島平和記念資料館(原爆資料館)、広島市現代美術館、JAGDA事務局、JAGDA ONLINE SHOP(http://shop.jagda.org)