第26回亀倉雄策賞:選考経緯・展覧会情報
受賞者:北川一成
受賞作:アートプロジェクトのデザイン「KAMIZU」
(cl:ヤオヨロズヤ)
作品発表:年鑑『Graphic Design in Japan 2024』(2024年7月発行予定/六耀社刊/予価16,500円)
授賞式:2024年6月22日(土)岡山にて実施予定〈JAGDA第41回定時総会会場〉
展覧会:
日本のグラフィックデザイン2024
2024年7月1日(月)~8月25日(日) 東京ミッドタウン・デザインハブ
2024 JAGDA 亀倉雄策賞・新人賞展
2024年7月22日(月)〜8月24日(日) 東京 ギンザ・グラフィック・ギャラリー
選考経緯:
1. 第1次選考(2023年11月29日、12月19日)
・年鑑『Graphic Design in Japan 2024』の掲載作品選考会において、全国のJAGDA会員から出品された全2,055作品を対象に、29名の年鑑選考委員が選出にあたった。
・各カテゴリーの得票上位であるJAGDA賞の候補126作品から、亀倉雄策賞の過去の受賞者による50作品を除いた76作品に対し、亀倉雄策賞にふさわしいと思われる作品を各自5点選んで投票(全票投票/出品者名は非表示/自身の作品には投票不可)。その結果16作品を選出した。
2. 最終選考(2023年12月22日)
・年鑑選考会でJAGDA賞に選ばれ、亀倉賞候補16作品には残らなかった3作品について、候補に加えたほうがよいという提案があり、計19作品を対象とした。その上で、複数作品が候補に残った出品者について、選考委員の多数決で原則各1作品に絞った。ただし同一テーマの作品が分かれて出品されている場合は、協議の上で、合わせて1作品とした。その結果、以下の16作品が最終ノミネートとなった。
・選考委員11名がひとり3票を持ち投票を行ったところ、7票、6票、5票、4票が各1作品、3票が2作品となった。ここで、選考委員が各作品についての見解を述べ、検討した結果、得票上位4作品(井上、岡崎、北川、永井の作品)を候補として残すこととした。4作品に対してひとり1票持ちで投票し、9票を獲得した北川の作品を第26回亀倉雄策賞として決定した。
・受賞作品の「KAMIZU(かみづ)」は、八百万の神などをモチーフとした様々なキャラクターによる各種アイテムやイベント展開などを通じて、日本文化の持つ精神性や価値、思想などを広く伝えていくアートプロジェクト。京都、神戸、東京を中心に、神社や老舗などとのコラボレーションを通じ、様々に展開されている。「伝統からは遠い造形のようでいて、日本の神様とはこういうものだったんだと思えるようなポジティブな力がある」「斬新なプロジェクトを、確固たる信念のもと、デザイナーの力で推し進めている」「派手な色づかいが目を引くが、古来の五色に則ったような展開とも取れ、神社や老舗などタッグを組む相手の選択も含め、クラシカルな世界とのコラボレーションとして非常にセンスの良さを感じた」「独特のデザインで1990年代から後進デザイナーに多くの影響を与えてきた北川氏だが、この仕事でも常識を覆すディレクションと突出した造形力に唸らされた」など、高く評価された。
*最終選考委員会メンバー
・亀倉雄策賞運営委員=松永真(選考委員長)、浅葉克己、葛西薫、菊地敦己、佐藤卓、永井一正、服部一成、原研哉
・ゲスト選考委員=臼田捷治、北沢永志、山本容子
候補作品(氏名五十音順):
・ジェネラルグラフィック「6月のりんご」(井上庸子 cl:ヤエカ)*同一テーマで分けて出品された2作品を、一連の作品として対象とした
・複合「EASTEAST_TOKYO 2023」(岡崎真理子 cl:イーストイースト)
・ブック「TANAAMI!! AKATSUKA!! / That’s All Right!!」(柿木原政広 cl:集英社)
・パッケージ「ふつうのマヨネーズとふつうのケチャップ」(加藤亮介・加藤千洋 cl:スーパースタジオ)
・複合「KAMIZU」(北川一成 cl:ヤオヨロズヤ)
・デジタルメディア「脳波書」(坂本俊太 cl:博報堂)
・雑誌広告「無印良品キャンプ場」(新村則人・庭野広祐 cl:良品計画)
・パッケージ「七條甘春堂」(関本明子 cl:七條甘春堂)
・複合「足の裏の宇宙」(高田 唯 org:アワ フェイバリット ショップ)
・新聞広告「ユニクロ 母の日・父の日」(玉置太一 cl:ユニクロ)
・ポスター/ロゴ 「棟方志功展」(永井裕明 cl:富山県美術館)*同一テーマのため、ポスターとロゴを一連の作品として対象とした
・パッケージ「BAUM TREEDAY 2023 限定品」(中野築月 cl:資生堂)
・パッケージ「うかわ」(藤田佳子 cl:炭平旅館)
・複合「広告 Vol.413〜417」(牧 寿次郎・上西祐理・加瀬 透 cl:博報堂)
・映像「父と娘の風景」(水野 学 cl:相鉄ホールディングス)
・パッケージ「Paper tube flowers」(山口崇多 cl:竹尾)
*年鑑選考会全体の情報はこちら