第13回亀倉雄策賞
厳正なる選考の結果、第13回亀倉雄策賞は該当作品なしとなりました。
選考経緯
1.第1次選考(2010年12月7日、8日)
・年鑑『Graphic Design in Japan 2011』選考会において、2,899点の応募作品を対象に、26名の選考委員が候補作品を選出。
・年鑑の選考で得票数上位20作品(入選のボーダーとなる票数がカテゴリーによって異なるため、出品数最多のポスターを基準カテゴリーとし、コンピュータで補正したスコアを使用。補正スコア9.0票以上を獲得した作品)から、選考ルールに従って、過去の受賞者2名(浅葉克己、服部一成)の2作品、同一人物による1作品を対象外とし、残る17作品を候補として選出した。過去の受賞者(植原亮輔)が連名出品者となっている作品については、選考の最終段階で判断することとした。
2.最終選考(2010年12月14日)
・全17作品に加えて、直前に選出されたJAGDA賞受賞全作品も亀倉雄策賞候補に加えてはどうかとの意見が出たため、亀倉雄策賞運営委員で協議した結果、JAGDA賞受賞5作品を加えることとなった。(内1作品は過去の受賞者〔服部一成〕の作品だったため対象外。内3作品は候補作品と作品・作家の重複があったため、新たに候補として加わったのは1作品のみ)
・候補18作品を対象に、11名の選考委員がひとり3票の投票権を持ち、無記名投票を行った。
その後の協議で、「票が割れている。選考委員の8割が候補に推すような圧倒的な作品でなければ厳しい」、「この作家ならもっと優れた作品があるという印象、既視感がある」、「素晴らしいが、コラボレートしたクリエイターの存在が見えてしまう」といった意見が出た。また「該当なしとすべき」、「すべきではない」と2つに意見が分かれたため、候補を絞って再度投票を行うこととなった。
・5票以上を得た3作品について、その中の1作品か、もしくは「該当なし」という選択肢で投票を行った結果、5票を得た作品が最高で、過半数の票を得た作品がなかったため、今回は該当作品なしという結論となった。
・また今回の結果を受け、候補を選ぶ際のルールや方法が最適とは言えないという意見も出たため、次回に向け、亀倉雄策賞運営委員会にて検討を行うこととなった。
■選考委員
亀倉雄策賞運営委員=永井一正(選考委員長)、青葉益輝、勝井三雄、佐藤晃一、佐藤卓、仲條正義、松永真、原研哉
ゲスト選考委員=木島俊介、後藤繁雄、野又穫
■ノミネート作品(出品者50音順)
・リサイクルショップの店内グラフィック「PASS THE BATON OMOTESANDO」(出品者:植原亮輔/渡邉良重 cl:スマイルズ)
・りんご農園の包装紙・パッケージ「三木田りんご園」(出品者:鎌田順也 cl:三木田りんご園)
・京雑貨店のロゴ「京雑貨 ぶぶ」(出品者:川上恵莉子 cl:伊と忠)
・冷蔵庫の新聞広告「東芝冷蔵庫」(出品者:喜多昭夫 cl:東芝)
・個展の告知ポスター「北川一成」 (出品者:北川一成 cl:ギンザ・グラフィック・ギャラリー、dddギャラリー)
・花屋の新聞広告「花束新聞」(出品者:軍司匡寛 cl:花キューピット)
・コンペティションのフライヤー「1_WALL」(出品者:佐野研二郎 cl:Guardian Garden)
・化粧品会社の雑誌広告「SHISEIDO」(出品者:澁谷克彦 cl:資生堂)
・キャンプ場の雑誌広告「無印良品キャンプ場」 (出品者:新村則人/庭野広祐 cl:良品計画)
・三重塔のシンボル・ロゴ「椿山荘三重塔」 (出品者:大黒大悟 cl:藤田観光)
・グリーティングカード「greeting card」 (出品者:田中竜介 cl:ディー・ブロス)
・イラストレーター作品集「YUKO MURATA」 (出品者:永井裕明 cl:True Ring)
・個展のDMとミニポスター「mizukagami」 (出品者:長嶋りかこ cl:長嶋りかこ/俵藤ひでと)
・化粧品会社の株主向け優待品「水の香 2010」(出品者:信藤洋二 cl:資生堂)
・デザイナーの装丁デザイン集「ブルーノ・ムナーリの本たち」 (出品者:林 規章 cl:ビー・エヌ・エヌ新社)
・デザイン書籍の企画・編集・デザイン「グラフィックデザイナーの肖像」 (出品者:平野敬子 cl:新潮社/竹尾)
・カプセルホテルのサイン計画「9h nine hours 京都寺町」(出品者:廣村正彰 cl:キュービック)
・プロダクトブランドの商品「12Letters」 (出品者:渡邉良重 cl:ディー・ブロス)